Skip to main content

グーグル「Pixel 10a」──堅実な性能と便利なAI機能が快適:製品レビュー

手頃な価格で快適な操作とAI機能を両立した「Pixel 10a」。ハードウェア面では目立った新要素は少ないものの、カメラ性能やソフトウェア体験の完成度は高い。日常使いであれば十分満足できるスマートフォンだ。
グーグル「Pixel 10a」レビュー:堅実な性能と便利なAI機能が快適
Photograph: Julian Chokkattu
WIRED
動作性能は非常に快適。素晴らしいカメラ体験。明るく見やすいディスプレイ。便利な機能が詰まった賢いソフトウェア。長期間のソフトウェアサポート。充電速度の向上。フラットなカメラモジュールで安定感アップ。
TIRED
目立った新機能は少ない。バッテリーもちはやや不十分。PixelSnap用の磁石は含まれていない。セールで「Pixel 9a」を購入する方がお得な場合も。

総合評価:8/10

ニューヨーク市で最近起きた大雪の影響でフライトがキャンセルされたとき、わたしはデルタ航空と電話で4時間もやり取りすることになった。だが、どうなったと思うだろう? 実は、グーグルの「Pixel 10a」に搭載されている「代わりに待ってて」機能を使ったおかげで、航空会社の不快な保留音をほとんど聞かずに済んだのだ。Google アシスタントが代わりに待機してくれて、実際の担当者が電話に出たときだけ通知してくれる仕組みになっている。

長年グーグルの手頃な「aシリーズ」を愛用してきた理由もここにある。価格は倍近くするスマートフォンとほぼ同等のソフトウェア体験を提供し、賢く便利な機能が日常生活に大きな違いをもたらす好例だ。

グーグルの最新モデルであるPixel 10aにおいて重要な特徴である。昨年の「Pixel 9a」と同じプロセッサー、同じデザイン、さらには同じバッテリー容量を採用しているこの機種はハードウェア面ではほとんど新しい要素がない。グーグルは、最近発表された「iPhone 17e」のような競合機との競争力を市場で保つ目的のために新モデルを投入したのではないかと思える。

それでも、499ドルのPixel 10aは、価格を抑えつつバランスの取れたスマートフォンを探している人にとって素晴らしい選択肢だ(4月7日編註:日本でも79,900円からの価格で、4月14日に発売されることが発表された。現在予約受付中となっている)。ほぼすべての面でよくできており、この価格帯では最も長い部類に入るソフトウェアサポートも提供している。なお、セールでPixel 9aが見つかれば、より手頃な価格で購入できることもあるため、併せて検討する価値があるだろう。

安定した使い心地

Photograph Julian Chokkattu

Photograph: Julian Chokkattu

Pixel 9aとPixel 10aの大きな外観上の違いは、カメラ周りのプラスチック製リングがなくなったことだ。そのおかげで以前よりさらにフラットな見た目になっている。

グーグルによると、このフラットなデザインは昨年ユーザーに大好評だったという。わたしは年々大きくなるスマートフォンのカメラの出っ張りにうんざりしていたことを考えると、これは過小評価されている改良だと思う。10aは机の上でガタつかず、ポケットにもすっと収まる。また、新色のBerryも気に入っている。とても鮮やかで目を引くカラーだ。もちろん、落ち着いたObsidian、Fog、Lavenderのカラーも選択できる。

画面はさらに明るくなり、最大輝度は3,000ニトに達した。晴れた屋外でも読みづらいと感��ることはない(とはいえ、ここ数週間はそれほど晴れていなかったが)。また、ガラスがCorning Gorilla Glass 3からCorning Gorilla Glass 7iにアップグレードされた点も評価できる。保護性能は向上しているはずで、実際に2週間使ってもPixel 10aの画面には傷がひとつも見当たらなかった(それでも念のためスクリーンプロテクターは付けたほうがいいだろう)。

Photograph Julian Chokkattu

Photograph: Julian Chokkattu

もうひとつの注目すべきアップグレードは充電速度だ。有線で30W、ワイヤレスで10Wの充電に対応している。ただ、わたしは普段夜のあいだに充電することが多いため、その恩恵を強く感じる機会はまだ少ない。対応アダプターを使えば30分で最大50%まで充電できるとされており、テストでもほぼその通りだった。

最大の不満を挙げるとすれば、グーグルはこの機会にPixelsnapのワイヤレス充電マグネットを背面に追加すべきだったと思う。そうすれば「Pixel 10」シリーズとの統一感も高まり、Qi2ワイヤレス充電をより手ごろな価格帯に広げることができたはずだ。

実際、アップルは新しいiPhone 17eにMagSafeを追加して同じことをしている。せめてサムスンのスマートフォンのようにPixel 10aを「Qi2 Ready」にして、マグネット付きケースを使う人が高速ワイヤレス充電を利用できるようにしてほしかったところだ。

バッテリーもちは「まずまず」といったところだろう。通常の使い方ならPixel 10aは1日しっかり持つが、それでも毎日の充電は必要だ。旅行などで使用量が多いときには、寝る前にバッテリーが切れないよう午後に充電したことも何度かあった。このサイズとしては比較的大きなバッテリーだが、モトローラの「Moto G Power 2026」のように、さらに駆動時間を伸ばす余地はあるはずだ。

性能についてはあまり不満はない。このスマートフォンは前モデルと同じTensor G4と8GBのRAMを搭載しており、わたしが試したほとんどの作業を問題なくこなしてきた。重いゲームを毎日プレイするような人には少し物足りないかもしれないが、一般的なモバイルゲームなら問題ないだろう。AI関連の処理でも特に困ることはなかったが、Pixel 10 ProのTensor G5と比べると遅さを感じる場面はある。

デュアルカメラシステムについても大きな不満はない。48MPのメインカメラ、13MPの超広角、13MPのセルフィーカメラという構成は前モデルと同じで、写真の露出は適切で、細部もシャープ、色も自然に写る。ときどきホワイトバランスが少しおかしくなることはあるが、この価格帯としては非常に立派なカメラシステムだ。

将来的には、「aシリーズ」にも2倍や3倍の光学ズームレンズが搭載されるとうれしい。Samsungがやや高価な「Galaxy S25 FE」にそれを搭載しているからだ。とはいえ、アップルの10万円以上するiPhone 17eでも単眼カメラのままであることを考えると、グーグルを強く批判するほどではない。

Pixel 9aとは異なり、Pixel 10aには衛星SOSが搭載されている。このようなフラッグシップ機能がより手ごろなスマートフォンにも広がってきているのは素晴らしい(アップルもiPhone 16eiPhone 17eにこの機能を搭載している)。携帯電波の届かない場所での緊急時に役立つ便利な機能だ。

スマートなソフトウェア

Photograph Julian Chokkattu

Photograph: Julian Chokkattu

これまでのPixelデバイスに搭載されてきた多くのソフトウェア機能に加え、Pixel 10シリーズでは新機能として「カメラコーチ」や「オートベストテイク」なども利用できる。

わたしはすでにPixel 10のレビューでこれらの機能を評価しているが、簡単に言えば「オートベストテイク」は、グループ写真を撮るときに全員の目が開いていて笑顔になっている写真をつくるのに役立つ。一方で「カメラコーチ」は、少なくともわたしにとっては写真撮影の流れを妨げることがあり、あまり使う理由がない。

グーグルのGemini搭載対話型フォトエディタは、写真にちょっとした修正を加えたいときに便利だ。これを使えばツールやメニューを細かく探す必要がない。ただし、この機能はPixel以外でも、サムスンの最新スマートフォンなどで同様の機能が提供されている。

Pixel 10aがQuick ShareによるAirDrop連携に対応しているのは特に素晴らしい。これによりPixel 10aのユーザーは、iPhoneを使っている友人に対して、なぜ自分はiPhoneを持っていないのか説明することなく、ファイルや写真を“AirDropのように”送ることができる。むしろ不思議なのは、同じハードウェアなのにPixel 9aがまだこの機能に対応していないことだ。今後のソフトウェアアップデートで追加されることを期待したい。

もちろんグーグルのスマートフォンなので、人工知能(AI)機能も数多く搭載されており、Geminiがさまざまな作業を手助けしてくれる。ただし、このバランスは繊細だ。

多くのスマート機能はわたしが日常的に頼りにしているものでもある。例えば、グーグルのRecorderアプリにあるAI文字起こし機能や、コーヒーを待っている間にラジオで流れている曲名を自動で教えてくれる「この​曲なに?」などだ。また、画面に表示されている内容についてGeminiに質問することもあり、その答えは多くの場合役に立つ。

しかし一方で、AI疲れを感じることもある。グーグルの「かこって検索」を使うたびに「 作成」というバナナの絵文字が表示されるのを見ると、まるでわたしが常にAI画像を作りたがっていると勝手に思われているようで少しイライラする。Pixel専用のグーグル製「天気」アプリのAI要約は、従来通り天気データを確認するよりも時間がかかる。正直なところ、わたしはこのまとめ方をあまり役に立つとは感じていない。また、Google Discoverについても、なぜ自分がAIによる要約記事を読みたいと思っていると推測されるのか、疑問が残る。

それでも、Pixel 10aはいい点が悪い点を大きく上回っており、予算が限られているかどうかに関係なく、依然として市場で最高クラスのスマートフォンのひとつといえる。ただし、グーグルのデータ収集方針やAI機能に抵抗がある人は例外だ。その場合は、数カ月待ってGrapheneOSをインストールし、グーグルのサービス使わない方法も検討できる。

(Originally published on wired.com, translated by Miranda Remington, edited by Mamiko Nakano)

※『WIRED』によるスマートフォンの関連記事はこちら


Related Articles

グーグル「Pixel 10a」レビュー:堅実な性能と便利なAI機能が快適

雑誌『WIRED』日本版
「THE WIRED WORLD IN 2026」好評発売中!

未来の可能性を拡張するアイデアとイノベーションのエッセンスを凝縮した、毎年恒例の大好評企画の最新版「THE WIRED WORLD IN 2026」。世界中のクリエイターや実業家、科学者など40名超のビジョナリーが、テクノロジーやビジネス、カルチャーなど全10分野において、2026年を見通す最重要キーワードを掲げた総力特集! 詳細はこちら