
GEEKOM様よりCore Ultra 9 185H搭載ミニPC、「IT13 Max」を提供していただきました。レビューしていきます。
Core Ultra 9 185Hに24GBのメモリ、そして3年保証。常時稼働させるサーバー的な使い方にも向きそうな一台です。さっそく見ていきましょう。
開封
化粧箱はおなじみのブラック。「IT Series」の文字が大きく配されています。

内容物はIT13 Max本体、簡易説明書、電源アダプター、VESAマウントプレート、HDMIケーブルのみです。

電源は2ピン式。一般家庭でも変換コネクタなしでそのまま使用できます。

天面をチェック。光沢のあるブラックにGEEKOMのロゴが入ります。

正面には最大10Gbps対応のUSB Type-A端子が4基、3.5mmヘッドセット端子、電源ボタンを備えています。

正面には「初回起動時はネットワークに接続しないでください」という警告シールが貼られています。接続すると自動更新が始まり、デスクトップ表示が遅れる場合があるとのこと。親切ですね。

背面にはDCコネクタ、USB4(40Gbps)が2つ、HDMI 2.0が2つ、USB Type-Aが2つ、そしてRJ-45が2つ。USB Type-AはUSB 3.2 Gen2とUSB 2.0が1つずつです。そう、本機はなんと2.5GBASE-Tのポートを2つ搭載しています。

背面を斜めから。排気口が大きく取られています。

右側面にはSDカードリーダーが備わっています。

左側面にはケンジントンロックが1つのみ。

底面をチェック。銘板には規制モデル名のIT13 Max、電気定格は19V 6.32Aと記載されています。ネジが露出しており、開ける前提のデザインですね。

iPhone SEを上に置くと、その小ささがよくわかるかと思います。136mm×132mm×50.1mm、重量832.1gで容積はわずか0.9L。このサイズにUltra 9が入っていると思うと非常に興奮しますね。

起動
OSにはWindows 11 Proを搭載。ライセンス情報を確認したところ、RETAILチャネルとして認証されていました。

CPUはIntel Core Ultra 9 185Hを搭載。開発コードネームはMeteor Lakeで、CPU-Z上では7nmと表示されていますが、Intelの公称製造プロセスはIntel 4です。6つのPコア、8つのEコア、2つの低消費電力コアという構成で、合わせて16コア22スレッド。プロセッサー・ベース・パワーは45Wで、本機の最大動作範囲は65W。L3キャッシュは24MBを備えます。

メモリはLPDDR5の24GB。CPU-Z上はDDR5と表示され、4チャネル×32bit、DRAM周波数2793.3MHzで動作しています。デュアルチャネル構成で帯域はしっかり稼げていますが、オンボード、いわゆる基板直付けのため増設や換装はできません。

オンボードのグラフィックスにはIntel Arc グラフィックスを搭載。128EU、8基のXeコアという構成です。CPU-Z上のGFXコアクロックは800MHzとなっていますが、公称では最大2.35GHzまで上がるとのこと。AV1のハードウェアエンコードにも対応します。

SSDにはKingston製のSNV3S500Gが搭載されていました。容量は500GBで、インターフェースはPCIe 4.0 x4、規格はNVM Express 1.4に対応します。GEEKOMではCrucialやLexar、Transcendを見かけてきましたが、Kingston製は初めてですね。

CrystalDiskMarkで計測すると、シーケンシャルリードで5402.03MB/s、ライトで3277.40MB/sを確認。ランダム4Kも実用上まったく不足のない数値です。ただ、容量が500GBというのは少々心もとないところ。もっとも本機はM.2 2280が最大2TB、M.2 2242が最大1TBと、スロットを2基備えて合計3TBまで拡張できます。最初のSSDを挿したまま増設できるので、足りなくなったら足せばいい、と考えれば気は楽ですね。

ネットワーク周りをチェック。有線LANポートは2.5GBASE-Tで、これを2ポート備えます。GEEKOMのミニPCではおなじみの構成ですね。リモートデスクトップやサーバー運用、ネットワークの冗長化まで視野に入ります。
デバイスマネージャーを覗くと、コントローラーはIntel製のI226-Vが2つ。以前レビューしたA9 MaxではRealtek製が載っていましたが、本機はIntel製で、I225-Vの改良版にあたるI226-Vが採用されています。個人的にはRealtekのほうが安定して動く印象を持っているのですが、今回のレビュー期間中に切断などのトラブルは一度もありませんでした。

Wi-Fiは最新規格のWi-Fi 7に対応。モジュールはIntel製のBE200で、最大320MHz幅での通信が可能です。A9 MaxではMediaTek製の最大160MHz幅のモジュールが載っていただけに、ここはIT15と同じく上位のモジュールが搭載されています。地味ですが嬉しいポイントですね。
筆者の自宅はWi-Fi 7に対応していることもあり、Wi-Fi 7(802.11be)接続を確認。Steamでのダウンロード時には受信で1.7Gbpsを確認できました。無線でここまでの速度が出ると非常に快適です。

ベンチマーク
各種ベンチマークを計測してみました。なお今回はGeekbench 7、Cinebench 2026、3DMarkのSteel Nomad Lightと、いずれも過去のレビューとは異なるバージョンやテストを使用しています。スコアの体系が変わっているため、過去に紹介した機種の数値とは直接比較できない点をご了承ください。
まずはGeekbench 7から。Single-Coreでは1908、Multi-Coreでは12599を確認しました。
この数字がどのくらい��のか、Geekbenchが公開しているプロセッサ別のスコア表と照らし合わせてみましょう。シングルコアの1908は、デスクトップ向けのIntel Core i5-13400(1881)やi5-13400T(1899)、モバイル向けのRyzen 9 6900HS(1900)あたりとほぼ同等の位置につけています。
そしてマルチコアの12599が面白いところ。かつて16コアのハイエンドデスクトップCPUとして君臨したRyzen 9 3950X(12635)や、Intel Core i5-12600K(12801)と肩を並べる数字です。ひと昔前のハイエンドデスクトップに相当する処理能力が、手のひらサイズの筐体に収まっていると考えると、なかなか感慨深いものがありますね。
ちなみにスコア表に掲載されているCore Ultra 9 185Hそのものの平均は12020。今回の実測値はこれを5%ほど上回っており、冷却がしっかり効いている効果でしょうか。

OpenCLでは29915を観測。内蔵グラフィックスとしては十分に高いスコアと言えるのではないでしょうか。

3DMarkはSteel Nomad Lightで計測。スコアは3104で、判定は「非常に良好」。グラフィックステストのフレームレートは22.99FPSでした。同じハードウェアの平均が2919、最高が3695なので、平均を上回る結果となっています。ミニPCの内蔵GPUとしては健闘しているほうかと思います。

Cinebench 2026で計測。CPU(Multiple Threads)では3504pts、CPU(Single Core)では590pts、CPU(Single Thread)では414ptsを記録。MP Ratioは8.46倍で、マルチコアがしっかり効いていることがわかります。

ゲーム性能についても計測したかったのですが……過去のレビューで恒例だったモンハンワイルズのベンチマークは、公式によって配布が削除されてしまいました。そのため今回は計測不可。比較指標として重宝していただけに、これは残念です。
映像出力と拡張性
デュアルUSB4とデュアルHDMI 2.0により、4台の4Kモニター出力、または8K出力に対応します。
先日レビューしたINNOCNの「CB27U1」を繋いでみたところ、3840×2160の120Hzでしっかり���力できました。ミニPCから4Kの高リフレッシュレートを引き出せるのは頼もしいですね。

ストレージはM.2 2280とM.2 2242のスロットを2基備え、合計で最大3TBまで拡張可能。今回の個体は500GBのSSDが1枚挿さった状態でしたので、もう1枚を足す余地が残されています。一方でメモリはLPDDR5の基板直付けなので、こちらは増設できません。
総評

惜しい点から挙げていきます。まずメモリがLPDDR5の基板直付けで、あとから増設できないこと。24GBあれば大半の用途では困らないはずですが、昨今のメモリ不足を考えると16GBを上回るメモリを搭載できているだけ、十分ではないでしょうか。むしろ限界までコストとパフォーマンスを突き詰めた結果ではないか?と思います。
もうひとつは、搭載するCore Ultra 9 185HがMeteor Lake世代であるということ。Meteor Lake世代は2023年に販売されたモデル。現状の最新モデルはすでに第3世代が2026年1月に発売されており、やや型落ち感が拭えません。
ベンチマークのスコアもミニPCとしては十分に高いものの、飛び抜けた数字ではありません。ゲームをバリバリ動かしたい、という用途にはあまり向かないでしょう。
本製品の用途としておすすめしたいのが、サーバー的な使い方です。自宅に置く簡易的なNASとしてはもちろん、VPNサーバーの構築や、友人と遊ぶためのゲームサーバーを立てる、といった使い方にも良いのではないでしょうか。2.5GBASE-Tを2ポート備えていることもあって、常時稼働させる機械としての素性はかなり良いと感じます。
そして今回触っていて強く感じたのが、排熱周りが非常にしっかりしているということ。ベンチマークのスコアがGeekbenchの掲載平均を上回ったのも、おそらくここが効いているのでしょう。長時間ぶん回す用途でこそ活きてくる部分かと思います。
そしてもうひとつ見逃せないのが保証。本機は3年保証です。長く動かし続ける前提の製品でこれは効いてきます。実売価格は11万9900円。この構成と拡張性、そして3年保証まで含めて考えれば、決して割高な買い物ではないかと思います。
処理性能でぶん殴るタイプのミニPCではありません。しかし、机の隅に置いて何年も静かに動かし続ける相棒としては、非常に完成度の高い一台。特にネットワーク周りにこだわりたい方には、ぜひ検討していただきたいですね。
今回もGEEKOM様よりお得に購入できるクーポンを提供していただきました。公式ストアはもちろん、Amazonでも使えるので要チェックです。
- 商品名:IT13 MAX
- 割引:10%オフ
- 割引コード:SMHIT13MAX
- 適用店舗:GEEKOM Amazon店舗 / GEEKOM公式サイト
- コード有効期間:7月27日〜12月31日
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